こんにちは!
今日は、日本のむかしばなし(神話)から、ちょっとふしぎで、ちょっぴりかなしい、でもとても大切なおはなしをおとどけします。
お話にでてくるのは、「うみのおひめさま」と「やまのたんけんか」。
ふたりが出会い、そしてお別れするまでの、やさしい神さまたちの物語です。
『うみのおひめさまと やまのたんけんか』
むかしむかし、
やまの国に、やさしい男の人がいました。
名前は、ひこほほでみといいます。
ある日、ひこほほでみは、
おにいさんの たいせつなつりばりを、
うみで なくしてしまいます。

「ごめんなさい……。なんとかして さがさなきゃ」
そう思ったひこほほでみは、
うみのそこへ、たんけんに出かけることにしました。
うみのそこには、
キラキラひかる おしろが ありました。
そこは、うみの神さまの おしろだったのです。
そのおしろで、
ひこほほでみは うつくしい おひめさまと 出会います。

そのひとは、とよたまひめ。
うみの神さまの むすめです。
ふたりは すぐに なかよくなり、
たのしく しあわせに くらすようになりました。
ふたりの たびと おねがい
やがて とよたまひめのおなかには、
あかちゃんが やってきました。

「あなたの国で うみましょう」
ふたりは やまの国へ むかいます。
でも、とよたまひめは ひとつ たのみごとをしました。
「わたしが あかちゃんをうむとき、
ぜったいに のぞかないでくださいね」
とよたまひめは そう言いました。
まもれなかった やくそく
でも……
ひこほほでみは、どうしても気になって、
そっと のぞいてしまいます。
そこにいたのは、
人間ではない、りゅうのすがたの とよたまひめ。
とよたまひめは、
ほんとうのすがたを みられてしまったことに
かなしくなって、
うまれた あかちゃんを のこし、
うみへと かえっていきました。

のこされた あかちゃん
うまれた あかちゃんの 名前は、
うがやふきあえず。
この子の こどもが、
のちに**にほんで さいしょの てんのうさま(神武天皇)**に なるのです。
おわりに
いかがでしたか?
「とよたまひめと ひこほほでみ」のお話は、

ただの恋物語ではなく、日本のはじまりにつながる大切なおはなしです。
子どもたちにも親しみやすいように、
やさしい言葉でおとどけしました。
ぜひ、親子で一緒に読んでみてくださいね。
このお話は、古事記・日本書紀に登場する神話を、子ども向けにやさしく書き直したものです。
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